電話 (k

午後二時携帯が鳴って目が覚めた
なんだか寝起きは呆然とするもので電話かメールかも判別がつかないから出ようかどうか迷っていると
留守番電話に切り替わったようで相手の声が漏れて聞こえてきた
なんだ電話か、とりあえず出てやるかと思って俺は携帯を手に取った
すると
「あんたー、午後二時になったんだけんどー」
とおばちゃんが話しかけてくるではないか
しかもなんだかなまっている
俺の知り合いにも親戚にもこんな人はいないと一瞬でわかったが
「はい? そちらどちらでしたかね?」
半ば寝ぼけながらたずねてみると
名前ではなく「郡山だ」という
「こうりやまかー こうりやまにはちょっと知り合いいねえべやー」
なんとかおばちゃんに近づこうとした喋り方で俺は間違い電話だと知らせて
睡眠を続けることにした
というわけで今日は郡山のおばちゃんとしか喋らなかった