少し怖い (y

座席がすべて埋まる程度には混雑した深夜の電車で、ドアに向かって立っている若者が嘔吐した。
車内でそうした光景を見たことにも驚いたのだが、それ以上に驚くべきことがあった。
車内を見渡すと、なんと僕以外のだれ一人として、彼の変化に気が付いていないのだ。
それも意識的に見ないようにしているとかではなく、そんなことが起きていることにすら気が付いていなかった。
都会は怖い所だと思って、交渉力 (角川oneテーマ21)を再び読むことにした。